1. わかりやすい状況設定と、ど真ん中の例文を瞬時に3つ以上作り出せれば事は足りる。その為の努力がしたい。しかし、論文や学会誌を読むと「へぇ〜!」と思うことはあっても授業になかなか活かせない。これは知識とアイディアが不足しているのが原因だと思い、更に探し、読み、考え、試し、改善する。そんなことを繰り返しながら最近、「もしかすると、研究者の欲するものと、トレーナーの欲するものの方向性が合致していないのでは?!」という思いに至ってしまった。
  2. 意志動詞と無意志動詞は導入し、学生に認識させるべきなのだろうか。文法用語は学習者にとって負担になる。初級レベルで「自動詞・他動詞」を教え、その直後か直前に「意志動詞・無意志動詞」を教えるというのは、混乱を招き望ましくない影響を与えるような気がする。なにしろ「意志動詞と無意志動詞は「文脈によってかわる」わけだから、文型の持つ意味とその動詞の意味がわかっていれば、「無意志+ようになる」と「意志+ようになる」の違いだって文脈によって理解できる。ただどうしても理論的に更なるアンカー(引っかかり)が必要だと思われる学習者には「意志動詞・無意志動詞」という考え方は必要なのかもしれないが。
  3. 動詞を「自動詞・他動詞」や「状態・継続・瞬間・第四種の動詞」、「意志性・無意志性」等で分類し考察を重ねることは、「わかりやすく噛み砕いた説明」をするのには必要。だが、文型の「意味」と「接続のしかた」を統語論的に説明すると、学生は「ややこしいから使わない!」となるような気がする。