学習者の発話を促す方法

教師が学習者に質問をする。それに応えた学習者の答え(発話1)に、教師はあまり簡単に応えないほうがいい。「へぇ〜」とか「そお?」などと言いよどみながらにこやかな間を5秒くらい取るだけで、他の学習者が(発話1)に対する別の答え(発話2)を発し、次第に教師抜きでああだこうだと会話(お喋り)し始めるだろう。またそういった自由な発話が生まれるような和やかな場を作りつつ、(発話X)の方向性が授業テーマからそう遠くへ行かないように管理するファシリテーター的な心づもりで目標言語で学習項目や学習テーマについていい感じのお喋りをさせることがコミュニカティブな授業なのではないだろうか。

例えば「と」「ば」「たら」「なら」が良くわからないとか、授受表現がよくわからないとかいった場合、学習者に例文をどんどん言わせて、雑な字でとにかくどんどん板書(視覚化)する(いろいろ雑にしておいたほうが、学習者も発話しやすいだろう)。いろいろな例文が学習者の中からクリエイトされ、それを視覚化した後に、誤用訂正したり、前件と後件の繋ぎ方を気付かせたりすれば、プリントの練習問題をさせただけではできなかった誤用訂正がはかどると感じている。

発話を促すというのは「何か質問がありますか?」というのではなく「へぇ〜?! そうなの? ふ〜〜〜〜ん。じゃ、あなたはどう思う?」という微妙な含みや方向性を持った、より「お喋り」に近い形で質問(問題提起)していかないと、発話は増えないのではないだろうか。

要は、「えー!私はそうは思わない!」とか「あ、私わかった(かも)」とか思わせて『言いたい!』って仕向けることがコミュニカティブな授業の核心だと私は考えている。

(そりゃ本当はちゃんとしたディベートとかディスカッションとかできるにこしたことはないのだけれど、、。)