■教育研究としての「外国語教育学」
http://d.hatena.ne.jp/TerasawaT/20101102/1288721439

現在の状況は、実証主義および心理学・言語学への「知的偏り」が見られる一方、主流の教育学および教育諸研究が適切に参照されていない傾向がある。

確かにその通り。認知心理学言語学を組み合わせつつ、コミュニカティブにやってみて、その結果をなんとか数値化して統計学的に分析して判断する。実践研究とはそんな流れだと私は認識しているのだが、数値化するというのが非常に難しい。更に統計学的な判断が得られるほどのデータ量を集めるのは個人では非常に難しい。留学生センターの教授であったり、日本語学校の主任として、ある程度権力のある先生ならばそういった手法も採れるだろうけれども、しがないいち非常勤講師・研究者としては、信頼に足るデータ量を集めるのは困難を極める。かといって質の研究というのもいまひとつ判断しかねる。
そもそもメタ認知のための教育というのは、以前からあちらこちらの日本語学校などにいる数値化し難いけれど凄く頼りになる熟練の先生のコツや勘のようなものを分析し記号化することなのではなかろうかとも思う。
また、実践のための研究として、数値化できない教育学的な視点の欠如も気になるところではあった。掃除をさせたり規律を守らせたりするような態度教育とか精神的な教育と、学習の効果も知りたい。他にも、教室活動後のアンケートや観察とは別の測り方・切り口・視点で、学習者の学習意欲の変化を考えてみたい。