右も左もわからなかった頃、この本を見て助けられた。初級でよく使われている『みんなの日本語』の前身、『新日本語の基礎』用の教え方の秘訣がばっちり書いてある。『新日本語の基礎1』用に2冊、『新日本語の基礎2』用に2冊、全4冊発行されている。『新日本語の基礎』全ての課(L.1〜50)の教案があると言ってもよい。
語彙や一部の細かい文法項目が『みんなの日本語』とズレていることもあるが、基本的には同じ。例えば、て形導入は14課だとか、普通体は20課だとか。
この『新日本語の基礎の教え方の秘訣』をベースに、絵を描いて図式化してよりわかりやすく教えたり、フラッシュカードを工夫してまわしたり、授業活動にゲームや余談やネタを加えてメリハリを付けたりしていけば、日本語教師1年目や2年目でもそこそこの授業ができるはず。
この本は非常に便利なので、ついついこの本だけに頼り切ってしまいたくなることもあるけれど、語彙や文法について内省をしながら辞書や文献や論文を読むことと、メモ程度の教案を書いては反省を繰り返していかないと、この本以上の授業はいつまでたってもできないまま。